税理士法人 入江会計事務所の中野です。
先日、大阪北部を震源地とする地震がありました。
時間は午前8時頃で私もちょうど通勤中で電車が止まってしまいました。
当日は交通機関は全く麻痺してしまい、数日間は大きな影響を受けました。
私は会社の近くまで来れていたので、出社できましたが人によっては
そもそも出社できない場合もあり、会社として対応に追われていました。
退社の際にも早い段階から帰宅の方法を検討して早めに退社する事で
とんでもなく遅い時間の帰宅を避けることができました。

このような事態に備えて企業はBCPを策定しています。
BCPとは、災害時の事業継続計画の事で、東日本大震災を契機に見直しが進んだと
言われています。
災害やテロ等自社にとって好ましくない事が起きた際に、事業のうち最も重要な部分を
なるべく早急に再開し、事業を継続する事で被害を最小限に食いとどめる事が目的です。
具体的には非常時対応マニュアル等を作成し、実際の災害時にはそれに則った
行動をする事になります。
現状策定は義務ではありませんが、企業にとっての危機管理や強い経営体質を作るために
必要なものとして政府も2020年までに大企業はほぼ100%、中堅企業で50%の
策定率を目指しています。
しかし策定率の全国平均は14.7%と非常に低く、特に近畿圏では13.1%と
全国平均をも下回っているのが現状です。
更に企業規模が小さくなると策定率は下がる傾向にあります。
これは策定に関する知識を持った人材がいない事やそもそもその存在を知らない、
といった事が原因と思われます。
策定の必要性を感じないとされた企業もあるようです。個別パターンなので
確かに一概には言えませんが、BCPを考える事で自社のコアになる資産や自社の
経営力について再度確認する役にも立つので、この機に見直してみる必要があると
個人的には感じました。

また、今回の震災で「要支援者名簿」を使わなかった行政がある、という記事も
ありました。市区町村には要介護者や障害者等の災害時に支援が必要な人たちの
名簿があり、安否確認を行うという流れになっているようです。
こちらも市区町村ごとで事情はあったようですが、せっかくそのようなリストが
あるのならキッチリ運用してほしいと感じた記事でした。
災害に対しての個人としての意識は高まりつつあると思いますが、個人レベルでは
対処できないような事についての行政の支援は緊急時だからこそ徹底して欲しいと
今回の地震では改めて感じました。